こんにちは、左京区在住のWebライター、まる きょうこです。
今回は、太秦の大映通り商店街にある個性的な神社「三吉稲荷神社」をご紹介します。
三吉稲荷神社とは

三吉(さんきち)稲荷神社は、映画の町として知られる京都・太秦の大映通り商店街にあります。
祀られているのは、「三吉稲荷大明神」と「中里八幡大菩薩」の二つの祠。
太秦日活撮影所を建設する際、朽ち果てていたこれらのご神体が見つかったのだそう。竹藪を切り開いて居場所を失った小動物たちの供養も兼ねて、日活関係者が祠を新築して祀ったのが神社の起こりだそうです。

元々の祠がこの地にあった経緯は不明ですが、江戸時代初期の医者で儒学者・黒川道祐による『太秦村行記』に、「太秦ノ内七里アリ、二王門、新在家、勢多カ辻、中里、市川、安養寺、南常盤」という記録があるそうです。「中里八幡大菩薩」の中里は、太秦の地名を表しているのかもしれませんね。
神社創建後、太秦は撮影所が増えて栄えたため、三吉稲荷神社は「映画神社」とも呼ばれるようになりました。また現在は、「蚕ノ社」で知られる「木嶋坐天照御魂神社」の境外末社とされています。
「木嶋坐天照御魂神社」については、以下の記事でご紹介しているのでぜひご覧ください。
秦河勝と京都|聖徳太子のブレーンで広隆寺も創建した古代のスター
三吉稲荷神社の御利益とガチンコ絵馬

三吉稲荷神社の御利益は、境内の旗によると「心願成就・開運招福・商売繁盛・産業興隆・芸能上達」だそうです。

三吉稲荷神社で傑作祈願ができる「ガチンコ絵馬」が、商店街にあるキネマ・キッチンに置かれていました。

ガチンコとは、映画監督が撮影の合図に使う道具。ほかにはない可愛い形の絵馬です。作品を傑作にしてくれるだけでなく、人生の傑作祈願ができるそうですよ。

奉納されている絵馬には、俳優さんや映画関係者のものも多く見られました。最近のものでは、第48回日本アカデミー賞を受賞した「侍タイムスリッパー」の絵馬も。しっかりとご利益がありましたよね。
著名人直筆の絵馬は後々、キネマ・キッチンに飾られるそうです。
境内には日本映画の父・牧野省三顕彰碑も

「牧野省三先生顕彰之碑」も境内に建てられていました。
牧野省三は現在の京都市右京区辺りで生まれた人物で、日本初の職業映画監督。
歌舞伎役者で俳優の尾上松之助とコンビを組み、日活でトリック撮影(特撮)を駆使した人気作品を次々と生み出したのだとか。
日本映画の基礎を築き、「日本映画の父」と称されているそうです。
三吉稲荷神社は傑作祈願ができる映画神社

今回は、太秦にある三吉稲荷神社をご紹介しました。
こぢんまりとした境内ですが、個性的で見ごたえある神社。境内を囲む玉垣にも、当時の俳優や映画関係者の名前が刻まれているので、注目してみると面白いです。
三吉稲荷神社に訪れたらぜひ、ガチンコ絵馬で人生の傑作祈願もしてくださいね。
*太秦についてのゆる語り(YouTubeポッドキャスト)
*ブログ村に参加しています
今回の情報がお役に立てましたら、クリックで応援お願いします♪