こんにちは、左京区在住のライター、まるきょうこです。
「京まちあるき」では、京都で頑張る素敵なお店や経営者さまをご紹介しています。
今回は、経営者さまへのインタビュー第1弾として、女性起業家を支援している丸山かをりさんにお話を伺いました。
【起業コンサルタント】丸山かをりさんとは

丸山かをりさんは、関西で女性起業家支援をされている方です。
どうしたらビジネスをうまく始められるのか、またどうしたら事業を伸ばしていけるのかなど、起業に悩む女性をサポートするコンサルティングサービスを行っています。
ノウハウ重視の起業コンサルタントが多いなか、かをりさんが行っているのは、その人自身にフォーカスする【コーチングコンサル】。一人ひとりが持つ素質や、ビジョン・使命を軸に、どうしたら売れるのかを考えていくのが特徴だそう。
京町家サロン『こいやまCafe』を運営
かをりさんは四条駅近くの中京区鯉山町で、カフェとレンタルスペースを併設した、女性起業家支援の京町家サロン『こいやまCafe』も運営されてきました。
鯉山町といえば、祇園祭で山鉾の鯉山が立つエリア。

この場所に出店された理由を伺ったところ、「住んでいたマンションから見える町家だったから」とのこと。
大学進学を機に、長野から京都へ移り住んだかをりさんにとって、京都でお仕事をされることは自然な流れだったようです。京都は文化的で洗練されているだけでなく、経営者としての視点から、商圏の大きさも魅力だったと教えてくれました。
花を扱う仕事から起業コンサルタントへの転身

現在、起業コンサルタントとして活躍されているかをりさんですが、元々は花を扱う事業をされていました。
複数の花屋を経営し、フラワーデザイナーとしても世界的な資格を持つかをりさんは、一生花に関わる仕事で生きていくつもりだったそうです。そんなかをりさんが、どのように現在のお仕事へ転身されたのかを伺ってみました。
離婚をきっかけに育ててきた会社を手放した
かをりさんが13年間経営してきた会社を手放すことになったのは、離婚がきっかけでした。
そのとき、かをりさんは3人の子育てをするお母さん。両親が会社の経営をめぐって揉める姿を見せたくないと、誇りを持って育ててきた事業を潔く譲り、まったく違う畑でビジネスをしようと決意しました。
しかし、次の事業への移行はそう簡単ではありませんでした。

上のお子さん2人が私立の学校に通いお金もかかるなか、事業を手放したために収入はゼロの状態。会社を失った喪失感や悔しさ、そして稼がなければならないというプレッシャーは、体調不良となってかをりさんを襲いました。
働きたくても身体を動かせないという時期が、1年ほど続いたのだそうです。
収入が少ないことに気持ちは焦るものの、働こうとすればまた体調を崩してしまうことの繰り返し。このまま回復しないかもしれないという不安に襲われ、仕事をすること自体が怖くなっていったのだとか。
信じることと頼ることを学んだ時間
花屋を失い、健康を失い、収入も絶望的に無い状況。この困難な時期にかをりさんがしたことは、自身の人間的な成長に取り組むことでした。苦しいなか、「ここで自分を変えていかなければ、これからやっていきたい事業も伸ばせない」という思いが生まれたのだそうです。
「事業がうまく行かなければ実家の長野へ帰ろう」
かをりさんは覚悟を決めて実家からお金を借り、もう一度頑張ることを決意しました。
このとき、「人を全面的に信じて頼ること」を学んだと言います。

常に温かく幸せなオーラを放っている、現在のかをりさんからは想像もつきませんが、過去には人から裏切られたり騙されたりする経験が多かったのだとか。そのため、かをりさんは人を信じて頼ることができず、なんでも自分でやる癖がついていたのだそうです。
会社を経営していたときには、忙しくて自身を振り返る時間もなかったかをりさんですが、働けないこの期間があったからこそ自分と向き合えたと言います。
また苦しみながらも自己成長に取り組んだ時間は、かをりさん自身を変えただけではありません。この経験のおかげで、のちに関わる女性起業家たちの、うまくできない苦しみや諦めてしまいたくなる気持ちもわかるようになったそうです。
経営の実践とMBAの学びが次の仕事へつながった
最初の会社を経営して5年目のとき。事業を拡大していくなかで、経営戦略の立て方などを学びたいと思ったかをりさんは、大学院でMBAを学びました。

そのとき3人目のお子さんはまだ0歳。子育てをしながら4店舗の花屋を経営、そして大学院で大量の課題をこなす日々…。1年間頑張ったところで卒業は難しいと断念したそうですが、そこで身に付けた経営学の基礎は、次の仕事への足がかりとなりました。
また事業そのものを失っても、かをりさんには13年間の経営の実績と、そのなかで人を育ててきたという経験が残されていました。
売上を1億以上に伸ばしてきたことや従業員を育成してきたこと、スクールでお花を教え、卒業生の開業も支援してきたこと。改めて自分に何ができるかと考えたとき、これらの経験がMBAの学びとかけ合わさり、かをりさんを次のステップへとつなげたのです。
起業コンサルタントとしてのスタート
最初は企業で人材育成のサポートをすることからスタートしたというかをりさん。しかし、ほかの会社に出向く仕事はあまり向いていないと気づきます。花屋で店舗を持っていた経験からも、自分のホームやテリトリーに来てもらう形で仕事がしたいと思ったそう。
そんなかをりさんにタイミングよく、起業塾をやろうというお誘いがありました。起業塾自体まだ世の中に少なく、考えたこともなかったというかをりさんでしたが、思いがけず起業塾で教えることになります。

そして声をかけてくれた人は、わずか3か月でその起業塾を辞めてしまったのだそう。
「私に起業塾をやらせるためだけに現れた人」と、かをりさんは言います。
不思議なタイミングでの出会いと流れ。まるで導かれるようにして、かをりさんは起業コンサルタントの道へと進んでいったのでした。
かをりさんが行うコンサルティングの魅力
お話を伺うなかで、かをりさんが行うコンサルティングには、以下のような魅力や特徴が見えてきました。
しっかりとした経営学と実践に基づいた支援
かをりさんのコンサルティングは、ベーシックな経営学と、かをりさん自身の経営の実践に基づいています。
先にもご紹介したように、かをりさんは大学院で1年間、MBAを学びました。

最近では起業を教える人が増え、経営を学ぶ手段も豊富な分、内容はピンからキリまであるとも言えます。しかし、かをりさんが学んだ当時は大学院くらいしか選択肢がなかったために、かえって土台のしっかりとした経営学を身に付けられました。
また理論だけでなく実践も積み重ね、現在進行形で経営をしていることも、かをりさんの大きな強み。現場を知らないマーケティングコンサルタントとは異なり、かをりさんのコンサルティングは、理論と実践がしっかり一致しているのです。
内面を見つめ、気づきをサポート
「助けるのではなく、気づかせ、目覚めさせるのが私の役割」と、かをりさんは言います。
人はつい自分探しや適職探しなどと外側に目を向けてしまいがちですが、本当の答えは自分の中にしかないことを教え、内側を見ることを手伝うのがかをりさんのコンサルです。

かをりさんのところへ来る女性たちの多くは、雲のなかにいるような時期。大気圏を出る手前では、どこまで雲が続くのか出口が見えない状態です。
そうした女性たちに、大気圏からすでに顔を出しているかをりさんが、出口の見つけ方を教えて自分の力で雲の上に出るのをサポートする。そのようなイメージなのだと話してくれました。
女性起業家へのアドバイス

起業したい女性たちへのアドバイスをかをりさんに伺うと、「諦めちゃいけない。それだけは間違いない。絶対諦めないでほしいと思っている」とのこと。成功している経営者とは、諦めなかった人たちだというかをりさんの言葉が、強く印象に残りました。
かをりさんがピンチのときにご両親が手を差し伸べてくれたように、「諦めそうになるときには誰かの存在が必要」と、かをりさんは言います。
諦めそうになったとき。頑張りたいけど頑張れていないとき。
そういう場面でかをりさんが登場することで、「どうにかしたいともがいている女性たちが走り出せるようにサポートしたい」とのこと。
また、「女性はみんな頑張りすぎている」とも。かをりさん自身もそういう性質だからこそ、女性たちの働き方を変えていきたいのだそうです。
かをりさんの今後のビジョン

「ずっと変化していて、変化が止まったことはあまりない。同じことをやっているときはなく、変化し続けている」
そう話すかをりさんは、常に働き方をシフトしていきたいのだそうです。今後はコンサルタントを養成する講座も含め、さらにたくさんの女性起業家に関わっていきたいとのこと。
しかし一度体調を崩した経験から、遊ぶことや休むこととのバランスも取りながら仕事をしているかをりさん。一人でできることには限界があると、これからはほかの人の力も借りながら、さらに多くの女性をサポートできるよう現在準備を進めているそうです。
また、かをりさんがずっと大切にしてきたことが働く環境です。
「環境がすべて。環境で人は育つ」という信念を持ち、自身も現場からオンラインへと働く場を切り替えるなど、環境をブラッシュアップし続けています。今後はこいやまカフェの運営も別の方に委ね、現在の居住区である滋賀県で、自宅の1階をカフェにするため準備中だと教えてくれました。
かをりさんがおすすめする「京都」

「京都は文化的で自然もある。街も人も品がある」
かをりさんに、京都の好きなところを伺うと、そのような答えが返ってきました。
京都へ来るなら、ぜひ観光客の少ないスポットへも足を伸ばしてほしいそう。せっかくの京都観光で、混雑だけを体験して帰るのはもったいないことだからです。
また、「混雑するスポットなら朝。6時とか早い時間に訪れて」とも強調されていました。京都の朝の清々しさは、ぜひたくさんの人に体験してほしいそうです。
かをりさんが暮らしてきた六角通り
かをりさんに思い入れのある京都の場所について伺うと、「六角通り」とのこと。
かをりさんが暮らし、何度か店舗を変えながらも仕事の拠点としたのは、いつも六角通りの周辺だったそう。お子さんが通った保育園も六角通り沿いにあり、西へ東へと六角通りを自転車で走っていたのだとか。

六角通りは京都の中心部に横たわり、すぐそばには四条や烏丸という賑やかなエリアがありながら、落ち着いているのが魅力。ひっそりと佇むお寺などもあり、穴場で静かな通りです。
そして六角通りには「いいお店もたくさんある」とかをりさん。美味しいピネライス屋さんについても教えてくれました。
ピネライス発祥の店「キッチンゴン 京都六角本店」

かをりさんもおすすめの「キッチンゴン 京都六角本店」。六角通りで1970年創業の洋食店です。
ピネライスとは、チャーハンとポークカツレツにカレーソースを組み合わせた料理。人気のメニューを一度に楽しめるなんて贅沢ですね。
本店では、ピネライスの種類がなんと8種類もあるそう。六角通りを歩いたら、ぜひ立ち寄りたいお店です。
気軽に参加できる かをりさん運営の交流会やサロン

今回は、京都で頑張る素敵な経営者さまへのインタビュー第1弾として、起業コンサルタントの丸山かをりさんにお話を伺いました。
波乱万丈な人生を諦めることなく、しなやかに乗り越えてこられ、またその経験すべてを女性起業家へのサポートに生かされていることがとても印象的でした。
お花屋さんからスタートされたかをりさんは、気さくで温かくいつも笑顔で、ご本人もまるでお花のような方です。起業を目指す女性だけでなく、何をしたらいいかわからず迷っている人も、かをりさんとお話するだけでたくさんのパワーをもらえるに違いありません。
気軽に参加できる交流会やサロンも開催されていますので、本記事を読んで少しでも興味を持たれたら、ぜひ参加してみてくださいね。
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